第33回 「青年茶人京都のつどい」
■熊本青年部 ブロック委員 岡本 健成■
今年の「京都茶人のつどい2026」は、初日から会場に心地よい緊張感と期待が満ちており
ました。呈茶会では運びや水屋の仕事を担当させていただきました。各地方ブロックが趣
向を凝らした室礼を披露される中、九州の席にも多くの方がお越しくださり、ご当地らし
さを感じていただけるよう、裏方として一つひとつの所作に心を込めて務めました。円卓
ごとに異なる世界観が広がり、会場全体が活気に包まれる様子は、まさに茶の湯の魅力を
体現しているようでございました。
夕刻の懇親会では、普段なかなかお会いする機会のない遠方の青年部員の皆さまと交流す
ることができました。地域や立場が異なっていても、茶道という共通の道を歩む者同士、
自然と会話が弾み、互いの活動や思いを語り合う中で、茶の湯がつないでくださるご縁の
温かさと心強さを改めて感じるひとときとなりました。
二日目の茶会では、一席目は今日庵のお席で緊張もありましたが、暖かくお迎えいただき
、心温まるお茶席を堪能させていただきました。二席目は裏千家学園の卒業生の皆さまに
よるお席が設けられておりました。そこには、私たち青年部が日々育んでまいりましたつ
ながり、そして茶道が世界へと広がっていく未来への願いが、茶道具やお菓子の意匠に込
められておりました。若い世代が学びを形にし、茶の心を次代へと受け継いでいく姿に、
静かな感動が広がっておりました。
今回のつどいは、地域の魅力、人との出会い、そして未来への希望が重なり合う、かけが
えのない二日間でございました。九州から参加させていただいた一人として、このご縁を
大切にしながら、これからも自分の場で茶の湯の心を丁寧に育んでまいりたいと感じてお
ります。
第32回 「教えることは教わること」
■長崎青年部 ブロック委員 内海 幸子■
8年前 自分の師より長崎支部主催「子供茶道教室」の講師として携わる機会をいただきました。その際、師に言われた言葉がこの『教えることは教わること』です。
当時は、なんとなく分かったような気持ちで頷いていたのですが、いざ自分が「教える側」 に立ってみると、その意味の深さに何度も立ち止まることになります。
子供達はとても可愛く、正直で、とにかくよく質問をしてくれます。
「どうしてお軸に一礼するの?」
「なんで右足からなの?」
一つひとつの所作に、迷いなく「なぜ?」を投げかけてきます。
最初にその質問を受けたとき、私はうまく答えることができませんでした。「次のお稽古ま でに調べてくるね」と、少し余裕のある顔で預かったのですが——
一ヶ月後、同じ子が同じ目で、同じ質問をしてきたのです。
……答えられないままに。
あのときの冷や汗は、今でも忘れられません。
慌てて調べ、改めて自分なりに言葉にして伝えましたが、とにかく深く反省しました。
自分は「そういうものだから」と受け取ってきたことが、なんと多かったことか。歳を重ね た今、わたしは言われた通りに動くことに慣れてしまっていたのだな、、と。しかし子供は 違います。納得しないと前に進まないのです。
その姿に、はっとさせられました。 そして、そこから自分の学び直しが始まりました。同時に講師としてどう伝えたら、子供達 が楽しく学んでもらえるか、いまも試行錯誤の最中です。
たとえば、茶筅の動き「の」の字。
「のの字を書くように」と伝えると、元気よくカタカナの「ノ、ノ、ノ」と動かす子がいる のです。思わず笑ってしまうのですが、同時に「伝えたつもり」と「伝わること」は違うのだと気づかされます。
帛紗さばきも同じです。
小さな手で、一生懸命に扱う姿は本当に愛らしく、見ているだけで頬がゆるみます。けれど、 その一つひとつの動きを「どう伝えればわかりやすいのか」と考えることは、決して簡単で はありません。
子供たちに教えているつもりが、気がつけば、私のほうが多くを教わっている。
まさに、師の言葉の通りでした。
また、この学びは子供茶道だけにとどまりません。「青年部」という場に身を置いているか らこそ、普段の生活ではなかなか出会えない異業種の方々と交流できることも、私にとって 大きな学びの一つです。
同じ茶道を通じて集いながら、それぞれの視点や経験に触れる時間は新鮮で、とても楽しく、 自分の世界を広げてくれていると感じます。
このコラムを書くにあたり、こうして振り返ると、子供たちからの問いかけも、仲間との出会いも、すべてが自分を育ててくれる大切な機会だなと改めて感謝しています。
これからも茶道を通して人と関わり、学び続けていきたいと思います。
そして、このように様々なことを学ばせていただいていることに、改めて感謝しながら、日々のお稽古を丁寧に歩んでいきたいと思います。
さて、次回の寄稿は凛々しさと愛され力を兼ね備えたブロック委員の岡本健成さんにバトンをお渡ししたいと思います。
第31回 「日日是好日」
■奄美大島青年部 ブロック副幹事長 森 帆嵩■
1月31日(土)、2月1日(日)に沖縄にて行われました令和8年度ブロック研修会は、大きな混乱もなく無事に終えることができました。
参加された皆様の笑顔や、九州ブロックへの労いのお言葉を頂戴し、私自身にとっても大変貴重で素晴らしい機会となりました。
また、具志堅部長をはじめとする沖縄青年部の皆様が、準備段階から当日に至るまで細部にまで心を配られたおもてなしをされており、その姿勢に深く感動いたしました。
さて、ブロック役員としてのお務めも、早いもので2年目に入りました。 研修会の準備や手配、当日の運営など、ほんの数年前の私には想像もしていなかった世界に身を置いております。
そのような中、お茶を通じて
「日日是好日」
という禅語に触れる機会がありました。
「 晴れの日も雨の日も、喜びも悲しみも、 どんな一日も二度とないかけがえのない一日として受け入れ、 その瞬間に集中し、穏やかに生きる心持ち。」
この言葉に出会った当時の私は、まさにその真逆の状況にありました。
日々、さまざまな出来事が起こる中で、必要以上に先のことを危惧し、今この瞬間に集中できていなかったように思います。
しかし、この言葉と出会ったことで、心がとても楽になりました。
私なりの解釈では、良いことも悪いことも含め、 今の状況を受け入れ、楽しみながら、目の前の課題一つひとつに取り組んでいく、ということだと捉えております。
奄美大島青年部としては、2年後に大きなイベントを控えております。 現状、組織としてはまだまだこれからではありますが、 「今」に集中し、「今」に楽しみを見いだしながら、日々の茶道や生活に励んでいきたいと考えております。
次回の寄稿は、「今」に全力で取り組み、いつもブロックを明るくしてくださる、
ブロック委員の内海 幸子さんにお願いしたいと思います。
第30回 「無事是貴人」
■鹿児島青年部 ブロック副幹事長 塚脇麻美子■
いかなる境界に置かれようとも、見るがまま、聞くがまま、あるがままに、すべてを造作なく処置して行くことができる人(臨黄ネットより)
御家元から2度この言葉をいただきました。
1回目は鹿児島で地区大会が開催された平成26年。青年部席にかける色紙のご染筆をお願いしたところこの言葉をいただきました。
右も左も分からないまま部長を引き受けた2年目の年に、こんなに大きなお茶会があるとは!誰か教えててよー(泣)という気持ちを抱えながらも、くよくよ悩んでも仕方なし、と思う性格と先生方、先輩方、何より青年部の仲間に助けていただき、2,000名を超えるお客様をもてなすことができました。
そしてその翌年、全国委員補としてお役をいただくことになりました。
2回目は「青年茶人京都のつどい2024」の夕食懇親会の時の抽選会にて。
当日はオプショナルツアーに1つも当たらず、残念だったな、と思っておりましたが、まさかこのようなことが待っているとは!飛び跳ねながら御家元から色紙を受け取りました。
そしてその翌年、2度目の全国委員補のお役をいただくことになりました。
私にとって、この言葉には御家元へと導かれる何かが・・・
かくして、10年ぶりに九州ブロックの一員としてまた携わることになりました。
いただいた言葉通り、「見るがまま、聞くがまま、あるがままに」楽しんで活動していきたいと思います。
次はきっとあるがままに楽しんでいる副幹事長の森さんにお願いしたいと思います。
第29回 「雲去日月正(くもさりて にちげつただし)」
■大分青年部 ブロック副幹事長 福嶋崇■
私が初めて人前でお点前をさせていただいたのは大分青年会議所(大分JC)茶道同好会大分青松会の発会式でした。2018年4月のことです。発会にあたり畏れ多くも坐忘斎御家元より大分青松会に色紙を賜りました。その色紙の御染筆が冒頭の五文字になります。
心に巣喰う執着やわだかまりが去れば、太陽や月の運動のように自然の理に身をまかすことができる、あるいは、太陽が昇り、月が沈んでいくといったあたりまえの日常に幸せを感じることができる。そんなメッセージではないかと勝手に解釈しているところです。私のライフワークである「ウェルビーイング」の原点を示していただいているようにも感じています。
本年2026年の歌会始のお題は「明(めい)」でした。雲去日月正の「日」「月」をつなげると「明」の一字となります。この一年が明るく良い年になって欲しいとは誰しもが願うものです。しかしながら、漫然と願っているだけでは実現しないことを、私たちは経験的に知ってもいます。フランスの哲学者アランは「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである」と言っています。本当に明るい良い年にしたいのであれば、いい年にするぞ!という覚悟にも近い強い意志とそれにもとづいた行動も必要なのかもしれません。
そんなことを考えながら、先日、師匠の初稽古式のお席に入りました。床には昨年御逝去された鵬雲斎宗匠の御姿を思い出さずにはいられない力強い御筆で
明歴歴露堂堂
と書かれた軸がありました。
たとえ雲に隠れていて太陽や月の明るさが見えなくても、実際にはその雲の裏側で太陽も月も輝いているのは衆知の事実です。青年部会員は、仕事に家庭にと日々忙しく過ごされている方ばかりかと存じます。心配事もつきませんし、心が曇るときもあることでしょう。日の目を見ない役割もまだまだ多く任される世代です。それでも他と比べたり、他人の評価に惑わされることなく、己自身の信じるところを堂々と進んでいきたいものです。きっとその先には、日月正しく、明るくウェルビーイングに満ちた日々が待っているに違いありません。
みなさまの日々のウェルビーイングを願いつつ、次は副幹事長の塚脇麻美子さんにお願いいたします。
第28回 「白珪尚可磨」
■鹿児島青年部 ブロック幹事長 稻留直子■
お茶のお稽古を始めて25年ほど経ちました。
何をやっても長続きしない私にとって、こんなに長く茶の湯との付き合いが続くとは思ってもいませんでしたが、気がつけば青年部活動ができるのも残りわずかとなりました。
そんな私に、最近先生が送ってくださった言葉があります。
「白珪尚可磨(はっけい なお みがくべし)」
白珪とは、上が丸くて下が四角い形の玉のことで、完全なる形のもの。その完全な玉をまだ尚、磨きなさい。という意味。
また、「白珪は磨けば元の輝きを取り戻すけれど、言葉の過失がもたらす傷は取り返しがつかない」という意味もあるそうです。
まだまだ「白珪」には程遠い私ですが、他人を傷つけず、どんな時もおごらず、妥協せず、努力を惜しまず、人生の最期まで成長の歩みを止めず精進しなさいという戒めと励ましの言葉として私の心に深く刺さりました。この掛け軸をいつか自分で掛けられるように、日々精進したいと思います。
次はブロック副幹事長の福嶋崇さんにお願いしたいと思います。
第27回 「一碗からピースフルネスを」
■福岡青年部 副ブロック長 古賀千佳嗣■
この度、8月14日に千玄室大宗匠がご逝去されました。九州ブロック一同、謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。長きにわたるご功績を偲び、深く感謝申し上げます。
折しも記録的な猛暑が続き、アスファルトの陽炎が夏の厳しさを物語る昨今、熱中症の危険と隣り合わせの厳しい状況が続いております。自然災害もまた、集中豪雨や台風による被害が各地で発生し、その爪痕は深く刻まれています。
また、終戦80年を迎え、世界では未だ戦争の悲劇が繰り返されています。このような状況下において、茶道を通じた平和への願いを込めて、災害復興復旧に向けたボランティア活動が活発に行われています。大宗匠の「一盌からピースフルネスを」の精神を継承し、その想いを次世代へと繋いでいくことが、私たちの使命と痛感しております。
福岡青年部では、毎年「24時間テレビ」にて無料呈茶を行い、募金活動への協力を呼びかけています。茶の湯は、人と人との心を繋ぎ、安らぎをもたらす力を持っています。多くの
方々にその思いが届くよう、今後も活動を続けてまいります。皆様もどうぞお気軽にご参加ください。
厳しい残暑が続きますが、どうぞご自愛ください。そして、共に茶の湯を楽しみましょう。
次は幹事長の稻留直子さんにお願いしたいと思います。
第26回 「祇園祭」
■筑豊青年部 副ブロック長 宮本詠理■
7月になりました。
各地で祇園祭が開催されていることと思います。祇園祭といえば京都の八坂神社を思い浮かべる方が多いかと思いますが、福岡市といえば、博多祇園山笠です。博多の街に7月1日より豪華絢爛な飾り山笠が公開され、7月15日の追い山笠に向けて地域住民の熱気があがってきているのを感じます。
私が所属する、筑豊の地でも飯塚市の夏の市民祭として親しまれています飯塚山笠が7月に開催されます。江戸時代より無病息災を願って始まったとされていますが、飯塚の街を山笠が疾走する姿は迫力があります。また、同じ日程で『飯塚山笠協賛 祇園ふれあい茶会』が筑豊支部にて毎年開催され、市民の皆様のご協力のもと多くの方に親しまれるお茶会となりました。今年は追い山と別日となりますが、7月15日にイイヅカコスモスコモンにて開催されます。猛暑の中ですが、涼やかなおもてなしを心がけ、御来場者の皆様には夏の訪れを楽しんでいただけますと幸いです。
これから夏本番ですが、とにかく元気に夏を乗り切っていきましょう!
次は副ブロック長の古賀千佳嗣さんにお願いしたいと思います。
第25回 「シュガーロード」
■佐賀青年部 副ブロック長 陣内 将行■
長崎と小倉を繋ぐ長崎街道は単なる街道ではなくシュガーロードと呼ばれ、かつて海外貿易の窓口であった長崎より佐賀、福岡へと砂糖や海外由来のお菓子が多く流入し砂糖文化を広めた地域でした。
私が住む佐賀県にも長崎街道が通り、丸ぼうろや小城羊羹など多くのお菓子文化が花開いた土地柄です。
日本に砂糖がやってきたのは奈良時代ですが、ごく少量しか手に入らず大変な貴重品だったと言われています。お茶が日本にもたらされたのも同じく奈良、平安時代頃と言われており同じように非常に貴重なものでした。
昨年九州ブロックでは佐賀にてブロック協議会が開催され、村岡支部長による「シュガーアイランド九州」と題したご講演をいただきました。また夏には北九州にてブロック研修会が開催され常盤橋のたもとで往時を偲び、筑豊にも地区交流会などお茶会で訪れる機会がありました。
この228キロに渡るシュガーロードを行き来して、そして今年いよいよシュガーロード出発の地、長崎にて親子合同研修会が開催されます。
「おいしい菓子のあるところには、おいしい茶がある」佐賀の村岡支部長の持論ですが、お茶という文化を学ぶにあたって恵まれた土地にいるのだと改めて感じることができる機会になればと思っています。
今後このコラムをブロック役員でリレー形式で掲載してまいります。
次は副ブロック長の宮本詠理さんにお願いしたいと思います。
今期は「青年部リレー」と題して月一回、ブロック役員のコラムを掲載します。
(毎月第2日曜頃更新予定)
第24回 「春風梅花をゆらす」
■宮崎青年部 ブロック長 山口 徹■
梅は咲いたか、桜はまだかいな。2月22・23日、九州の中心地熊本県熊本市にて、今期ブロックの初陣となる「第142回協議会・研修会・初茶会」を熊本支部青年部の多大なるお力添えを頂き終えることができた。
ブロックの存在意義は、総本部・各支部との架け橋となり、17青年部が友情を育む機会を提供することである。私を含め役員に期待されていることは“なにか良いことが起こりそうな縁”を感じる人であるか、ではないだろうか。初茶会のお軸「一花開天下春」まさに冬枯れの景色に咲く一輪の梅のように温かくも力強く、役員みなで釜を掛け仕舞うことができ、良縁に感謝感激である。
人は一生のうちに逢うべき人には必ず逢える。しかも一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に。たまたま同時期に九州の青年部で活動を共にしているのも必然のご縁、歴史を繋いで来られた先輩や師匠・各支部の先生への感謝を忘れることなく、"愛と情熱"で明日からの青年部活動に邁進していこう。
2025年3月
第23回 「卒業生より」
■佐賀青年部 副ブロック長 出口優子■
「感謝」
あっという間に卒業を迎えました。
まだまだ心には初心者マークがしっかりと貼り付けられているのに、誰よりもお姉さんになってしまっていることに改めて驚いています。
幽霊会員として青年部を終えると思っていたのに、自青年部だけでなくブロックにもご縁をいただき、全国にまで送っていただき感謝しかありません。
小さなきっかけ、そしてその時の選択一つ一つが「今」を作っているのだと思います。
青年部での一瞬一瞬に感謝。出会った全ての方に感謝。
卒業はしてもお茶で繋がるご縁です。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
■沖縄青年部 副ブロック長 塩釜明子■
「出逢ってしまえば世界は変わる」
これは私が大学生のころ、京都の阪急烏丸駅にあった宝塚歌劇のキャッチコピーです。あのころも今も、出逢うものは違えど、出逢ってしまったら世界は変わります。
十数年前に緊張しながらブロック協議会に参加してから、ブロック役員として過ごした今日まで、青年部を通していろいろな出逢いがありました。学び・志・お茶を通してつながる絆、青年部ならではの宝モノです。
躊躇してしまわないで、一歩踏み出して、多くの“世界が変わる”ような出逢いを掴んでもらえたらと思います。
■大分青年部 ブロック副幹事長 山口奈穂子■
「卒業にあたって」
「青年部に入ったらお茶のお友達ができるわよ」
その言葉どおり良き友人・仲間に恵まれ、
会員の皆さん、
社中とはまた違ったお茶の世界があなたを待っています。
■唐津青年部 ブロック監事 井上公之■
部長になった年に周年行事、翌年はLT研修でその翌年からは全国委員会。ジェットコースターに乗っているかの様な目まぐるしい12年には、コロナ禍で思うようにいかない日々も過ごしました。
そんな中、気持ちを保って来られたのは仲間の存在。ブロック長時代「お茶に必要なものは何ですか?」と皆さんに度々問うたものの、漠然とした問いには答えも多くて意図が伝わらず。導きたかった答えは「もてなしたいと思える茶友」でした。
もてなしたい=モチベーション。ですが、鍛錬不足ゆえにスキル不足。でも仲間がいれば何とかなると思えました。
学習と実践の繰り返しこそが肝心。青年部で学んだことです。本年で卒業ですが、茶道は続く。
出会った皆さんとお茶を通して楽しい時を共有したい。それがこれからの目標です。
第22回 「古人刻苦光明必ず盛大なり」
早や立冬を迎え今年も残すところあと僅かとなりました。今日まで、私たちブロック役員はお互いに相手を慮り、それぞれ与えられた役目をしっかり果たしながら茶道の素晴らしさを多くの人に伝えていくという同じ目的をもって進んでまいりました。
振り返ってみますと、今期は九州地区管内、各支部・青年部の周年行事が目白押しでブロックを含めると絶え間なく行事が開催されていた印象でした。幸いにも各青年部との交流の場をたくさん持つことが出来、行事参加率も上がり友情の輪が大きく広がったように思います。一つ一つの行事の準備には仕事との両立でお互い大変だったと思います。私の仕事の関係で役員会を夜に行い、日を跨ぐこともありましたが皆嫌な顔をせず参加してくれたことは有難いことでした。
博多での石原地区長のご講演で情熱を呼び覚まし、対馬で多くの仲間と語らい、
大牟田で足下を見つめ直し、佐賀では村岡相談役のご講演で九州の歴史・文化を改めて学び、京都で多くの仲間と本場の茶の湯を味わい、北九州支部・青年部皆様の絶大なるサポートによって自身の所作と芦屋釜の歴史を学べたことに感謝し、福岡で今期の総括と相成りました。
こうやって、完璧とはいえず反省点も多々ありましたが、今を見つめながら着実に行事をやり遂げ次の世代に繋がったことはひとえに、お家元はじめ総本部、多くの諸先輩方、仲間達のお陰であると感謝しています。とても充実した楽しいひとときであったと同時に茶道の眼目が少し見えてきたような、まだのような・・・。「更に参ぜよ三十年」と耳元で囁かれている気がします。
今思えば、淡き友と小川のせせらぎのごとくさらっと過ごした二年間でした。心よりお礼申し上げます。
来期は山口劇場が開幕します。乞うご期待ください。
最後に、今期をもって卒業される親愛なるお兄様お姉様方にはたいへんお世話になりました。ありがとうございました。
そして、どうぞごきげんよう。
2024年11月 ブロック長 田中 節竜
第21回 「実りの秋に」
今日は寒露。宮崎も朝晩はひんやりとして秋らしくなり、稲刈りの時期を迎えました。
わが家もそろそろ収穫、今年の出来はどうかな。いつまでも真夏日が続き、海産物や農作物の収穫にも影響が出ています。茶道で大事にしている季節感、日本の四季がなくならないよう環境に配慮し、今年も秋の実りに感謝したいと思います。
学校も熱中症の心配から解放されました。生徒たちの努力も実りますように。
2024年10月 ブロック監事 西 ひろみ
第20回 「薩摩の工芸品」
青年部リレー第9回で「大分の竹細工」が紹介された。
沖縄を含む九州8県は、豊かな自然や独自の文化によりそれぞれに魅力いっぱいの地域である。そして、先人たちの知恵や想いを引き継いだ「伝統工芸品」が多くある。
では、薩摩の「伝統工芸品」を皆さんはご存じだろうか。まず思い浮かべるのは「薩摩焼」それとも「大島紬」か。もちろんこの2つは国指定の伝統的工芸品に指定されている。
しかし、それだけではない。県指定伝統的工芸品の指定を受けている工芸品はなんと32品目に及ぶ。その中には、竹製品、薩摩切子、刀剣、屋久杉製の挽物や無垢物、甲冑に奄美の芭蕉布などがある。その中で、今回は「薩摩錫」を紹介したい。
薩摩錫器は360年の歴史があり、江戸時代には鹿児島市内でも錫が産出され薩摩藩の大きな財源になり、同時に薩摩錫器が誕生したと言われている。現在では、材料の錫は輸入に頼っているが、伝統的な技法は引き継がれている。錫は、割れない・錆びない特性を持ち、密閉性が高いため、茶筒や茶壷として茶葉の保存に最適である。
鹿児島青年部では、7月に「錫皿製作体験」活動を行った。好みのサイズの錫プレートを選び、各自で裏に刻印し、プレートの縁にカーブを入れるようハンマーで丁寧に叩く。とても簡単な過程ではあるが、皿縁のカーブが360度均等になるよう力加減を考えながら真剣に向き合っていると、どんどん愛着がわいてくる。
秋はお茶会の季節。青年部主催のお茶会では、活動を通して制作した会員手製の作品に出会うことも楽しみの一つである。
今回の作品が皆様にお披露目される日が果たしてくるだろうか。皆さま乞うご期待下さい。
2024年9月 ブロック委員 稻留 直子
第19回 「青年茶人 京都のつどい」
「どうぞ手ぶらでお客として京都を楽しんでください」“青年茶人京都のつどい“に際
してお家元が仰ったお言葉です。
中止や縮小を経た全国行事。「今期こそ!」と意気込んだ一昨年12月の全国委員会、
アフターコロナに向かう機運に金ヶ崎委員長が掲げたテーマはスマイル! 笑顔で再
び集おうという思いが込められました。ところがコロナの爪痕は深く、少なくない青
年部に運営の危機をもたらしており・・・
「以前の行事の繰り返しで良いか、立ち止まって考えましょう」宿題をいただいた全
国委員会は1年かけて意見を出し合い、お家元は青年部をお茶会に招く「青年茶人京
都のつどい」の開催をご決定くださいました。
お家元席で目にした皆さんの満面の笑みが忘れられません。
青年部に負担がないようにとのお家元のお気持ちと先輩方の支援が繋いだ全国行事。
九州ブロックにもスマイルが絶えないように「笑顔で繋ごう」と気持ちを新たにした
のでした。
※「青年茶人京都のつどい」詳細は裏千家ホームページをご覧ください。
2024年8月 ブロック監事 井上 公之
第18回 「ようこそ北九州へ」
北九州市は九州の玄関口に位置する政令指定都市です。
近代産業発祥の地であり、ものづくりのまちとして発展し、近年では関門海峡、門司港レトロ、日本三大カルスト台地である平尾台や、日本新三大夜景都市に選ばれた皿倉山など歴史や自然がいっぱいの観光地であり、雄大な山地と美しい海に囲まれた美食の宝庫としても全国的に有名な魅力あふれる都市です。
さて、8月24日(土)、25日(日)に北九州市にてブロック研修会が開催されます。
業躰先生による基本を学ぶ講座や、「芦屋釜の里」新郷英弘館長による講演など茶道の学びを深める研修となっています。
また、北九州青年部一同、支部先生のお力を借りながら、楽しい懇親会の企画や観光地を巡るオプショナルツアーなど精一杯のおもてなしを現在準備しています。
盛夏の折、お体に気をつけて、元気に皆様にお会いできますよう心からお待ち申し上げます。
2024年7月 ブロック委員 梅村 悠子
第17回 「清風匝地何の極まりか有らん」
京都市北区紫野大徳寺の塔頭で三千家の菩提寺聚光院近くの竹林にひっそりと佇む高桐院は、戦国武将細川藤孝(幽斎)の菩提を弔う為に、その子細川忠興(三斎)によって慶長7年(1602)に創建された寺院です。鮮やかな楓に包まれた参道は息を呑む美しさで、歩みを進めていくごとに清風が身体の中を吹き抜けていきます。
利休居士の邸宅を移築した書院や北野大茶会の茶室を模した松向軒、利休居士から譲られた灯籠は秀吉が所望するのを恐れて裏の一部を欠かした跡があり忠興の墓塔となっています。その隣にはガラシャ夫人が眠っており、四季折々の風情が境内を包込み何とも言えない味わいがあります。現在は拝観休止中ですが、皆さま是非一度訪れてみてください。
その忠興が関ヶ原合戦後7年の歳月を要して築城した小倉城のもとで8月24・25日、九州ブロック研修会が開催されます。利休七哲といわれた茶人ゆかりの地での学びは今後の活動の糧となることでしょう。
「さあ!この夏は北九州へ行こう!!」多くの仲間と共にお茶を楽しみましょう。
皆様の参加を心からお待ちしております。
2024年6月 ブロック長 田中 節竜
第16回 「駕籠に乗る人担ぐ人そのまた草鞋を作る人」
薫風が若葉を撫でる5月18・19日「宮崎支部 創立70周年・青年部創立55周年記念大会」を終え、参席頂いた皆さんの笑顔と激励の言葉を思い浮かべながら、祭りのあとの寂しさのなか筆を取ることにした。
日本文化の総合芸術である茶会での席主として、テーマ(初夏の宮崎)・道具の 製作・お道具組・後見を務める機会をもらい、式典・祝賀会・記念誌・2次会と大会全てに深く関わらせてもらえたことは、青春を頂いたに等しい。
人生で一番大事なことを1つあげろと言われたら、それは〝できない理由を探さない”ということ。もう1つと言われたら、"何が起こっても投げ出さない”こと。
青年部活動の中でも根本のものは、活々している、清新溌剌ということだ。いかなる場合にも、特に逆境・有事の時ほど活々していることが必要である。その人に接すると自分までも気が爽やかになる、これが現役会員の最も大事な要素だと思う。 そしてかくの如き人であれば必ず役に立つ。
たまたま駕籠に乗せてもらったが、歴史を繋いで来られた先輩や共に活動をする会員に担いでもらい、師匠や支えてくださった支部の先生への感謝を忘れることなく、
"人生の大事"を心に留め、御家元よりご染筆いただいた「更上一層楼」を掲げて 明日からの青年部活動に邁進していきたい。
道具の製作に携わってくださった方、ブロック内外の良き友、
宮崎青年部会員に万感の想いを込めて。
2024年5月 副ブロック長 山口 徹
第15回 「軽やかに一歩へ」
うららかな春の日差しが心地よいこのごろですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
各青年部では新年度の青年部活動も徐々に始まっていることと存じます。
さて、2月に開催されました九州ブロックの第139回協議会、研修会及び初茶会の研修Ⅱの分科会にて、各青年部の活動状況や課題などについて話をする機会がありました。所属する青年部活動について他の方々に説明をすることで客観的にみることができ、また、他青年部の方々の話を伺うことで刺激を受け、今年の青年部活動を前向きに始めるうえで充実した時間になったことと思います。
最後になりますが、現在、久留米青年部では、先生方や青年部OBの先輩方にご協力いただきながら、5月に、能登半島地震による被災地にこころを寄せて九州ブロック貫道プロジェクトにて「小寄茶会」と7月に学校茶道と合同で「青年交流茶会」を開催する準備を進めております。近隣の青年部の皆様方にご案内させていただく予定ですので、どうぞよろしく願いいたします。
2024年4月 ブロック会計 鶴 奈津江
第14回 「宮崎へ」
令和6年5月18日(土)、19日(日)
宮崎支部創立70周年・宮崎青年部創立55周年記念大会が行われます。
会場はシーガイアコンベンションセンターです。
宮崎に行ってみたいけど、どのルートで行けば良いのかな?
会場までどのくらい時間がかかるのかな?
例えば、
<航空機>
東 京(羽田)-宮崎:約90分
大 阪(伊丹)-宮崎:約60分
名古屋(中部)-宮崎:約70分
福 岡(福岡)-宮崎:約45分
宮崎空港から会場まで車で約25分
空港からは便利な送迎プランもあるようです。<要予約>
宮崎空港送迎タクシープラン
送迎タクシー(小型/4名まで) 片道4,950円
ご利用条件 / WEB申込限定、事前予約制
発着 / フェニックス・シーガイア・リゾート⇔宮崎空港
土・日・祝は宮崎空港から直通バスもあります。
宮崎交通のバスは、車体中央のドアから乗車し、前から下車します。
Suicaやnimocaなどの交通系ICカード利用できます。
<電車>
鹿児島中央駅→宮崎駅:約2時間
大分駅→宮崎駅:約3時間
宮崎空港駅から宮崎駅の区間は交通系ICカードが利用できます。
<バス>
【B&Sみやざき】
新八代駅→宮崎駅:約2時間
JR宮崎駅からはバスまたは車をご利用ください。
バスの場合:約30分
詳しい情報は宮崎交通、JR九州、ホテルのホームページをご確認ください。
皆様のお越しを心よりお待ちしております!
2024年2月 ブロック会計 船ケ山 由佳
フェニックス・シーガイア・リゾート
第13回 「今年の干支は「甲辰」」
新年あけましておめでとうございます。
私は年始めに毎年初詣に行く神社があります。今年もそこへ参拝し一年の幸福をお祈りすることができ清々しい気持ちでお正月を迎えることができました。
今年の干支は「甲辰(きのえたつ)」とのことで、「甲」は生命や物事の始まりという意味があり、辰年は物事が成長・発展し、形を成す年といわれているとのことで、2024年は、これまで努力してきたことが実を結んで成就する年となるようです。 ブロック役員となり2年目に突入しますが、昨年の経験を今年の活動に活かし実を結べるよう努力して参りたいと思います。
「さあ、やるなら今だ!!進め九州!~感謝の心と希望をもって~」をテーマに新しい年を皆さん一緒に楽しく前進していきましょう。
最後になりますが、今年の11月に九州地区交流会が筑豊にて開催される予定です。皆様に楽しんでいただける内容を企画中ですので是非お越しください。お持ち申し上げております。
2024年1月 ブロック委員 宮本 詠理
第12回 「長崎支部創立75周年青年部創立60周年余話」
11月25日26日に長崎支部創立75周年長崎青年部創立60周年記念大会が開催されました。
長崎にお越しくださり、またたくさんのお祝いのお言葉をいただきありがとうございました。
周年大会は長崎青年部内でも大変盛り上がりました。
当日参加する部員、参加できない部員を交え、決起集会や準備会を行いました。
そのような準備期間を通して、部長宅のお風呂が真っ青に染まったり、
ライブ客とキャットファイトが繰り広げられたり、
語り継がれるべきたくさんの伝説が誕生いたしました。
中でも実行委員長の企画作成のもと、LINEグループに投稿されたカウントダウン動画・画像は、団結力の一番の源にもなりました。
先述の決起集会にて収録された一人一人の意気込みやメッセージ動画とともに
実行委員長の青年部愛のこもった長文紹介コメントが投稿されたのでした。
また、青年部の倉庫から発見された40年ほど前の青年部アルバムから、
クリップされた写真をタイムカプセルと題してパネル展示すると、
先輩方も楽しそうに当時のお話で盛り上がっておられました。
このように部員や先輩方の絆もあって成立した大会でした。
長崎青年部は61年目を走り出します。皆様これからも長崎青年部をよろしくお願い申し上げます。
周年大会という大きなテーマながら拙筆失礼いたしました。
2023年12月 ブロック委員 山口 薫菜
第11回 「百尺竿頭に一歩を進む」
薩摩から琉球へ延びる島々の歴史的なつながりを踏まえて、世界に向けて平和と交流の和を広げようと始められた鹿児島・奄美大島・沖縄の地域を順に巡る「和合の茶会」は今年で第25回を数え、私はブロック長として招待を受け約10年ぶりに先月奄美大島の地に降り立ちました。亜熱帯照葉樹林が広がる山々と「アマミブルー」といわれる青い海に囲まれた豊かな自然、独自の文化を肌で感じながら九州各地の会員はもとより全国各地の皆様と交流する事が出来ました。
大宗匠は、力強いお言葉で自然と折り合いながら常に謙虚な気持ちを持ち、お互いが譲り合うことの大切さを百寿とは思えないほど矍鑠としたお姿で説かれ、未だに収束をみせないウクライナ戦争、緊迫する中東情勢を念頭に1時間を越える熱のこもったお話となり、深く感銘を受けあらためて平和について考えさせられました。
2日目には森部長率いる奄美青年部と学校茶道合同で名瀬湾を一望できるホテルの芝生の庭に薄茶席が設えられ、可愛い小学生がお運びしてくれた地元のお菓子と一碗を美味しく頂戴しました。
今回、先の大戦で亡くなった英霊を偲び、たくさんのご縁が結ばれお茶のはたらき・楽しさ・有り難さを実感した旅となりました。
カレンダーは早くも11枚目をめくり暦の上では立冬となりました。来年に向けてブロックは一丸となって行事に取り組んでまいります。九州は一つ!!各青年部の皆様も一緒にお茶を楽しんでまいりましょう。
2023年11月 ブロック長 田中 節竜
第10回 「茶道をつなぐ気持ち」
10月に入り、ようやく爽やかな秋晴れの今日この頃。
福岡支部では、9月17日に福岡支部創立35周年記念大会を開催しまして、多くの方々に御参加頂き、盛大に大会を終えることができました。誠に感謝申し上げます。
福岡青年部は、周年行事を考える上で、これまで諸先輩方が築き上げた伝統を活かしつつ、新しいものに挑戦しようとテーマを「つなぐ」と致しました。そこで青年部席には、福岡青年部オリジナルの棚や道具を用いるとともに、未来をイメージして宇宙空間を作りました。
棚には、博多織を刻んだ筑前棚、水指は星の一つである地球、飛躍するように飛行機型の莨盆、床にはガラス棚、周辺は竹灯籠で多くの星を散しました。
このように大会が開催できましたのも、歴代青年部ならびに九州各地域の支えがあったからこそだと思っております。今後も九州ブロック全域で盛り上がるよう、福岡青年部一同、邁進して参ります。
福岡青年部は35周年ではありますが、茶道裏千家青年部は、裏千家第15代鵬雲斎大宗匠が発足し、70年以上の歴史を刻んでいます。現在では親会の先生方も、青年部出身の方が多く、歴史の流れを感じます。
私は、その2世になりますが、日頃より茶道が身近にあり日常の中に溶けこんでおります。我が家では、朝の挨拶とともに、家族全員でお抹茶とお菓子を頂くことから一日が始まります。子供たちも当たり前のようにお抹茶を頂きます。ここにも小さな「つなぐ」気持ちがあるように感じます。
今後も九州各地で周年行事が開催され、多くの茶会も行われます。ここから九州もつなげていきましょう!
2023年10月 ブロック副幹事長 古賀 千佳嗣
第9回 「大分の竹細工」
大分県の唯一の伝統的工芸品である別府竹細工をご存知ですか?
別府は江戸時代より日本一の温泉地として全国に名が知れており、訪れた湯治客が使用した台所用品がお土産品として売られるようになり、それとともに竹細工市場が盛んになりました。当時、別府には多くの竹細工職人がおり、明治時代以降、竹細工は工芸品としても発達していきます。昭和42年、生野祥雲斎が竹工芸の分野で初の人間国宝に認定されました。
竹は①一日の成長速度が速く、成長して伐採しても根が残りまた成長します②他の木々よりも35%も多くの酸素を生み出すと言われています③農薬や大量の肥料もいらないので、環境に優しく、かつ安価で安定して手に入りやすい「サスティナブル(持続可能な)」な素材とされています。
今回のコラム執筆にあたり、お茶の世界において欠くことのできない素材でもある「竹」について少し考えてみました。普段は手入れが簡単で安価なプラスチック製品をつい手に取ってしまいますが、環境にやさしい「竹」を一つでも生活にとりいれてはいかがでしょうか?
過去の大分でのブロック行事においても生野徳三先生の講演会を開催しました。大分青年部でも「竹の花籠(四海波)」作り体験や「茶杓削り」など竹を学ぶ研修を行っています。
2023年9月 ブロック副幹事長 山口 奈穂子
第8回 「衝撃の九州ブロック研修会」
8月19、20日は九州ブロック研修会です。
茶道を愛好する仲間たちが今年は長崎県の対馬に大集合します。
研修会と聞くと、初めて参加した平成23年8月阿蘇での九州ブロック研修会を思い出します。そこでの体験は心を揺さぶられることの連続でした。
「自然の中で一碗」をテーマにグループで一碗バッグを持ってハイキング!(こんな所でお茶点てるんだ!)と、お茶室のお茶しか考えたことがなかった当時の私にとってまさに衝撃でした。また、学生の時以来の集団宿泊や夜に開催されたレクレーションなど、どれも日常生活の中では使わない感覚フル活用でずっと不思議な感じがしていました。
そして研修に参加された皆さんが優しかったことも印象に残っています。(裏千家のお茶をやっている若い人がこんなにいて、みんな人として素晴らしい!)とここでも衝撃を受けました。
まさか12年後、自分がその研修を企画する一員になるとは。
参加される方の心に何かが残ればうれしいと思いながら頑張りますのでどうぞよろしくお願い致します!
2023年8月 ブロック副幹事長 高木 真砂代
第7回 「博多青年部の〇△▢」
7月に入ると私がお稽古に通っている地域にも飾り山が飾られ、7月15日の追い山まで博多の街は山笠一色です。「博多」で連想されるものは博多祇園山笠の他にもいろいろありますが、「博多青年部」といえば、お茶会で大活躍のあの「〇△▢」ではないでしょうか。
「〇△▢」とは、約9年前の地区大会の際に、有志によって設計、施工されたもの(写真参照)です。その時のテーマが「釜掛の松」でしたので、座礼棚として使われ、側面には青年部員によって博多独特の土塀「博多べい」を模した装飾をしました。
座礼と立礼の二通りで使えるよう、柱の長さは二種類あります。天板は桜、底板は杉、柱は檜で出来ており、解体して収納します。組み立て、解体にはコツが必要ですので、それは青年部内で伝承されています。
側面の装飾をその時々のテーマによって変えられるのも大活躍の所以です。これからも博多青年部の〇△▢を皆さまに楽しんでいただけますように。
2023年7月 ブロック幹事長 樋口 智美
第6回 「馬には乗ってみよ人には添うてみよ」
あれは確か6年前の梅雨入り頃、「なあ、空飛ぶ畳に乗って世界中にお茶を点てに行かないか」そうつぶやいた私に含笑した有志と、宮崎青松会(JC茶道同好会)を発会したところから尽く茶道の一歩が始まった。
発会に至るまでも今日までも、茶の湯の世界というのは御縁で成り立っていると日々是感謝している。気がつけば部長やブロックで大役を預からせて頂き、お稽古に赴く時間を作るのも儘ならないほど学び多く有難い。青年部会員やブロック役員方との歴然とした差を埋めるため、先生からの鼓舞激励「堂々としていなさい」を胸に各所で方円の器に従っている。
そんな門前の小僧たちが集う青松会も5周年を迎え、時を同じく奇遇にも九州内で発会した鹿児島・大分の青松会と合同記念茶会を鹿児島県日置市沈壽官窯の身に余る茶室と茶器にて、5月末の大安に開催することができた。10周年は宮崎開催である。何事も飛び込んで御縁に感謝し、堂々と?していれば信じられない場所やお道具から感動を与えてもらえるのもお茶の魅力である。
8月19.20日に研修Ⅱを担当させてもらっているブロック研修会が対馬で開催される。飛行機、フェリー、馬、空飛ぶ畳、いずれかに乗って足を運んで頂き、
ぜひ対馬でお会いしましょう。
あなたが来れば、勢揃い。
2023年6月 副ブロック長 山口 徹
第5回 「澗水湛えて藍の如し (かんすいたたえてあいのごとし)」
五月に入り港から吹いてくる爽やかな浜風が頬をなで、対馬の山々は目にも鮮やかな新芽が生き生きと茂り、リアス海岸で形成された浅茅湾は碧く、渓流のせせらぎが耳に心地よい季節となり観光客を喜ばせてくれています。
禅の書物・碧巌録にこんなお話が出てきます。ある僧が問います。
「大龍和尚様、私たちの肉体はいずれ滅びてしまうが永遠不滅の生命はどこにありますか?」と。大龍和尚は、「山の花々は開いて錦を織り成したようであり、谷間を流れる川は青々としてまるで藍を流したようである。」と答えます。
生きとし生けるものは時の流れとともに移り変わり無常でありいつかは消えてなくなってしまいます。私たちはこの偉大なる自然の大いなる命の中で生きているのではなく生かされているのだと自覚し感謝する。寒いときは寒い、暑いときは暑い、悲しいときは涙を流し、嬉しいときは喜び、そのままあるがままの素直な心持ちでいるならば「澗水湛えて藍の如し」という素晴らしい風光を心から楽しむことができるのではないでしょうか。これから次第に天候が変化してきます。時節に身を任せながら8月に開催されるブロック研修会に向けて全力で準備をすすめていきたいと思います。
夏真っ盛りのキラキラした対馬に乞うご期待。
2023年5月 ブロック長 田中 節竜
第4回 「和合の茶会」
先週のお稽古のときにかかっていた色紙「弄花香満衣」。
お水屋で準備をしているときにうぐいすの鳴き声も聞こえて。
なんとも、「春」。
お稽古のひとときは日常の喧騒を離れた心研ぎ澄まる時間だなと
改めて感じる今日この頃です。
沖縄は年中ハイビスカスが咲く南国。
床に飾るお花も南国を感じるものが多くみられます。
今日の研究会では早くもあやめ(オクラレルカ)が生けられていました。
3月下旬から4月上旬は一般的には桜の季節!と思いますが、
沖縄の桜は1月下旬がピークなので、この時期はお茶道具で桜を愛でている私です。
さて、沖縄・奄美大島・鹿児島「和合の茶会」。
皆さんはご参加されたことがありますでしょうか。
大宗匠の「一盌からピースフルネスを」の理念のもと、この三地域の歴史的・文化的なつながりを踏まえながら、世界に向けて平和と交流の輪を拡げようとスタートした茶会です。
昨年はコロナ禍で幾分か縮小傾向でしたが、沖縄で3年ぶりに開催されました。
なんといっても、大宗匠のお元気なお姿を拝見することができたことが何よりもうれしいことでした。
支部席は「ちむどんどん席」※ちむどんどん=胸が高鳴る、
青年部・学茶席は「いちゃりばちょーでー席」※いちゃりばちょーでー=一度会えば兄弟 と名付けて支部青年部学茶と一体になって取り組みました。
いちゃりばちょーでー席では、入り口に飾った地球儀へ、平和の使者である鳩の折り紙をご来場くださった皆様に平和を祈念して貼っていただき、平和祈念堂での献茶式の後に奉納させていただきました。
今年の和合の茶会は奄美大島での開催です。
奄美にはどんなお花が咲いているのかな、沖縄と同じかしら・・と思いを馳せながら、いまから”ちむどんどん”しています!
2023年4月 副ブロック長 塩釜 明子
第3回 「魁」
こんにちは。佐賀青年部の出口です。
周年行事を計画されている青年部も多いことと思います。
佐賀青年部は5年前に50周年記念大会を開催させていただきました。
明治維新から150年という節目の年に開催されたこともあり、私たちも先人たちの精神を受け継ぎ、どんな時も最初の一歩を踏み出すことを恐れず進んでいきたいという想いで青年部席のテーマを『魁』としました。
『魁』を象徴するお道具として「肥前びーどろ」でお棗を制作していただきました。
「肥前びーどろ」は佐賀藩の先進的な取り組みの一つです。
佐賀の礎を築いたと言われる 十代藩主鍋島直正公が、嘉永五年に精煉方(今で言う理化学研究所)を設置したのが始まりで、当時では珍しいガラス窯が築かれ、主に科学実験のためのビーカーやフラスコが作られました。
激動の時代、佐賀には日本を牽引する志と技術がありました。
お茶、温泉、焼物、肥前びーどろ!
これで今日からアナタも佐賀通ですね♪
2023年3月 副ブロック長 出口 優子
第2回「自身の立場を忘れずに、守るべきことは守り、若さにまかせてやってみる。」
今月のコラムを担当します野田です。
前置きとして内容がコラムになっていなかもしれませんこと、ご容赦ください。
大牟田では今年10月7日(土)、8日(日)に大牟田支部創立75周年・青年部65周年記念大会を開催いたします。
大牟田青年部の創立は昭和33年、初代部長でもある故・江上宗敏先生の一つの思いにより成されました。それは江上先生が大牟田青年部十周年記念大会記念誌に寄稿された文章の冒頭にあります。
「裏千家茶道を学ぶ者、然も近郊に住み常に研究会、茶会と顔を合わせ、又同席し乍ら名前も知らず話し合う機会もない不自然さ、お互いに話し位したい、出来れば名前も知りたい」
考え方は人それぞれなので、私は一人で楽しみたいんだ、という方もいらっしゃることと思います。見ず知らずの人にいきなり話しかけるなんて、シャイな青年茶人にはハードルが高いことでしょう。ですが青年部ではどこの社中であろうが、年が違おうが、研究会でも茶会でも話しかけてくれる先輩がいて、会員の顔と名前を覚えるとそれが当たり前のように言葉を交わす機会が増えます。私も年とともに話しかける側に変わりました(たぶん)。そのつながりは、狭かった世界を広げてくれました。視点の違う考えを知り、知識を増やす機会となりました。九州内の青年部、全国の青年部会員との交流がそれを幾重にも広げてくれたことは間違いありません。良いことも、そうでないこともありますが、私には刺激となり、何よりも勉強になっています。おそらく青年部に入会することがなければ知り得ないものだったでしょう。
自青年部内の交流だけでも楽しいものです。ですが、一歩踏み出し、他青年部のお茶会やブロック研修会に参加すれば、様々な出会いが待っています。ふと隣り合った人と、お花が綺麗ですね、なんて些細な一言で交流が始まるかもしれませんよ。
江上先生の文章にはこうもあります。
「何れにせよ青年部は親支部の下部組織であり独走することをさけたい。然し乍ら青年部としての誇りを捨てる事なく若い者が若い内でなければ出来ない事はやるべしと考える」
我々は裏千家という組織の一員です。自身の立場を忘れずに、守るべきことは守り、若さにまかせてやってみる。どちらも大事なことだと思います。
そんなはじめの一歩を、ぜひ大牟田支部・青年部の周年行事で踏み出してみてください。お待ちしています。
偉そうなことを並べて御目汚ししました。お許しいただき、ご笑納ください。
2023年2月 副ブロック長 野田 智美
第1回 「彩凰舞丹霄(さいおうたんしょうにまう)」
新年おめでとうございます。
今期ブロック長を務めます対馬青年部の田中節竜と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。
今期よりホームページ上で「青年部リレー」と題して月一回、ブロック役員がコラムを掲載します。
そこで第一回目は私が選んだ禅語です。
輝かしい新春に相応しい語として選んだのは
「彩凰舞丹霄」 彩凰、丹霄(たんしょう)に舞う です。
五色の美しい彩りの翼をもつ鳳凰が雲一つない朝焼け、夕焼けの真っ赤な大空を悠々と舞っているという意味です。
鳳凰は、聖王(すぐれた徳があり立派な政治をする君主)が世に出るとそれに応じて現れるといわれる想像上のめでたい鳥で、これから明るい世の中が開けてくる兆しとされています。このことからよく新年のお茶会やめでたい席にこの語は用いられます。皆様のお住まいの各地域では初釜が催されたことでしょう。
しかしながら新年を迎えてもなお、国内情勢はもとよりウクライナ戦争の長期化や周辺国をはじめとする世界情勢は益々先行きが不透明となり混沌としています。現実ではなかなか鳳凰が現れる兆しがありません。
そういう時だからこそ、私たちは茶の湯の心を見つめ直し、今一度、一人びとりが自分は素晴らしい世の中にいるのだという、「ありがとう」と「おかげさま」の気持ちを持てば、おのずと平和な明るい世の中が開けていくのではないでしょうか。
いよいよ新九州ブロックが始動します。今後ともよろしくお願い致します。
2023年1月 ブロック長 田中 節竜